サバイバーズ・ギルト(Suvivor's Guilt)
「サバイバーズ・ギルト」を直訳すると、「生き残った人の罪悪感」という意味になります。
具体的には、大事故や災害で奇跡的に生き残った人たちが助からなかった人たちに対して「申し訳ない」という罪悪感を抱くことです。
サバイバーズ・ギルトは、第二次世界大戦後にホロコーストから生還したユダヤ人たちに見られたのが始まりですが、それ以前にも生き残ったことに対して罪の意識を持つということはあったと思われます。
震災で、家族のうち自分だけが助かり、そのほかは全員津波にさらわれたとしたら、「何故自分だけが助かってしまったんだろう?」「家族を見殺しにしたのではないか?」と思うのは当然のことでしょう。
そこで「自分だけ助かってよかった」と思えないのが普通です。
しかし、その罪悪感がいつまで経っても消えず、ずっとそのことで苦しみ続けると、その罪悪感がPTSD発症の引き金になります。
今回の震災では、サバイバーズ・ギルトで苦しむ人たちを本当に多く生み出しました。
そしてそのことは、被害に遭わなかった人たちが被害者を支援していく上で、多くの課題をもたらしたと思います。
サバイバーズ・ギルトで苦しむ人たちに、私たちはどのような言葉をかけるのでしょうか?
少なくとも、決して「頑張って」などと押しつけがましいことはいわず、しっかり相手の苦しみを受け止めることが必要だと思います。