精神状態
PTSDを発症すると、日中はフラッシュバックなどで苦しみ、睡眠時も悪夢を見たりするなど、安心できる時が全くありません。
24時間極度の緊張状態の中にいるので、自然に心が蝕まれてきます。
憂うつ感や悲壮感、恐怖などで苦しむばかりでなく、種々の症状故に更なるストレスが加わり、苛々して怒りっぽくなります。
また、睡眠も不足していることから、集中力も失われていきます。
こういった慢性的な情緒不安定が顕著になる中で、PTSDで特に見られる心理的症状は、「自己嫌悪」や「罪悪感」の気持ちです。
例えば、交通事故によってその後、PTSDを発症すると「自分だけが生き残ってしまった」というサバイバーズ・ギルトや「事故を未然に防げなかった」という自責の念にかられ、そこから逃れることができなくなるのです。
レイプ被害者の場合は「自分は汚れてしまった」という自己否定感情、戦争帰還兵なら「大量殺人をしてしまった」と過剰な罪悪感が生まれ、いずれにしても強い自己否定の感情が芽生えます。
全てにおいて自分が悪いという決めつけが、パニック障害、うつ病、解離性障害などの別の精神疾患もを誘発することも多いのです。
周りの人たちは、そんなPTSDの症状を目の当たりにして、理解し難い気持ちでいっぱいになるでしょう。
そして、PTSD患者との間に感情的な隔たりができ周りの人も心が病んでいくことがしばしばあります。