まわりが話しかけるとき
PTSDの患者にとって、まわりからのサポートは問題克服に当たり大きな力になります。
トラウマ症状が強くて何もできない時に、掃除洗濯の手伝いをしてあげたり、話を聞いてあげたりすることは患者本人の負担を大幅に減らすことに繋がります。
しかしその分、まわりの人たちは、PTSD患者にとって一番の理解者にならなければなりません。
実は、これが一番難しいことです。
自分がPTSDではないのに、人のPTSD症状を全て理解できるかというと、そうではないのです。
それ故に、患者の話を聞いてあげるときに、ついつい間違ったことを相手に伝えてしまいます。
以下の言葉は、絶対に使ってはいけない言葉なので注意してください。
- 「頑張って」
- 「そんなに落ち込まないで」
- 「イヤなことは早く忘れて」
- 「もう悲しまないで」
- 「甘えるな」
- 「あなたより大変な人はいっぱいいる」
PTSD患者は、日々トラウマと闘っています。
もうこれ以上頑張れないくらい、毎日必死の思いで生きています。
そのような時に「頑張れ」と言われても、かえってプレッシャーになります。
また、考え方の間違いを指摘したり、叱責するような話し方は相手に自分の意見を押し付けているだけです。
私たちはPTSD治療のプロではありません。
ただ受け身になって聞くことしかできず、それ以上のアドバイスはできないのです。
そのことをしっかり心にとめ、「聞き手」に徹するようにしてください。