フラッシュバック
「フラッシュバック」とは、トラウマ体験後にその経験が鮮明に蘇ることです。
これは、悲しい記憶を思い起こすこととは異なります。
悲しい出来事を思い出して感傷に浸ることは誰にでもありますが、フラッシュバックが起きる場合、トラウマ体験がそっくりそのまま再現されるのです。
その再現される範囲は、視覚的なものばかりでなく、触覚や痛覚的なものにまで至ります。
しかも、それらの症状は薬物で取り除くことはできず、長年に亘り起こり得るのです。
いつどこでフラッシュバックが起きるかわからない恐怖で精神状態を更に悪くする人もいますし、恐怖から逃れるためにアルコールやドラッグに依存する人もいます。
また、フラッシュバックは、大人になってから記憶に刻まれたもののみで起こるわけではありません。
幼少期の曖昧な記憶の中でも、その中でトラウマになるような強烈な体験をしていれば、何年も経ってからそれがフラッシュバックとして再現されることもあるのです。
トラウマ体験同様に強烈な恐怖に見舞われるため、発汗、動悸、手足の震えなど、その都度身体症状に現れることもあります。
フラッシュバックが起こる原因の一つとして、対処能力以上のストレスが一気にかかることが挙げられます。
恐怖体験進行中に全てのストレスを自分の中で処理できず、後からそれらを処理するためにフラッシュバックが起きるといわれています。