症状悪化の回避
PTSDを発症した患者が最も気をつけなくてはならないのは、症状を悪化させないことです。
症状が悪化すれば、うつ病やパニック障害を併発したり、治療にもっと時間がかかるようになります。
ですから、辛くても普段からの心がけが大切になるのです。
例えば、不安を紛らわすためにアルコールを飲むと、そのままアルコール依存症になってしまいます。
トラウマ体験を想起させる場所を徹底的に避けると神経がより一層過敏になり、対人恐怖症や引きこもりになります。
PTSDの早期克服を目指すのであれば、最低限の生活の心がけは必要です。
それでは、症状を悪化させないために最も有効なことは何でしょうか?
それは、自分を客観視できるように工夫することです。
症状悪化を防ぐためにしておきたいことは、
- 元々の自分がどうだったかを知っておく
- 自分がどう変わったかを知っておく
といったことです。
これらは、家で自分ひとりでもできます。
最もお勧めなのは、ノートに書き留めておくことです。
そうすれば、頭に浮かんだ客観的な自己像を、ノートを見ながら何度でも思い出すことができます。
そして、「もとの自分」をイメージしながら過ごすことはとても大切です。
PTSDになる恐ろしい体験前の自分のイメージは、長年かけて培った患者のイメージそのものです。
そこに戻るためにも、少しでも自分で心がけをしていくことが早期回復のポイントになります。