PTSDとモルヒネ

2010年1月にアメリカで発表された論文によると、重傷外傷後の蘇生時若しくは治療の初期にモルヒネを投与すると、その後のPTSD発症のリスクを減らせることが明らかになりました。

これは、イラクからの帰還兵を対象に行った調査で明らかになったものです。

「重傷外傷」とは、命に関わる大惨事に巻き込まれて負傷することや、強い恐怖を伴った体験のことで、まさにPTSD発症原因になるような体験のことです。

ですから、交通事故に遭ったり犯罪に巻き込まれた直後にモルヒネが投与されれば、PTSDは防ぐことができるかもしれないのです。

「モルヒネ」といえば、依存性や中毒性が高いといわれ、敬遠される麻薬の一種です。

確かに日本では麻薬取締法で規制されている薬物の一種で、市販で手に入るものではありません。

しかし「医療麻薬」として医療現場では活躍しており、特に癌による疼痛緩和でよく使われます。

その際にモルヒネを投与されても、依存症や中毒になることはありません。

モルヒネは、脳内のバランスが崩れている時に摂取しても依存性に関わる影響はないのです。

ですから、医療用モルヒネとして正しく使われる場合、PTSDを初めとした精神疾患の場においても応用できるのではないかと思われます。

もし、この研究が更に進み、PTSDに実際に応用される日が来れば、震災直後のPTSD発症数も減らせるようになるかもしれません。

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