メディア被災

東日本大震災では、報道を通じてストレスが深刻化する「メディア被災」により、全国各地にストレス症状を抱えた人が多くいました。

現地入りした報道関係者をはじめとし、震災の映像をテレビ用に編集するスタッフも体調が悪くなり、更にそれらの映像を毎日見続けた被害のない一般の人々にもストレス症状が多く見受けられました。

震災が起き、被害に遭っていない人々も突如、生活の大きな変化に見舞われたと思います。

テレビでは終日震災関連の報道番組が流れ、ネットニュースも震災関連のものばかりでした。

また、全国で一斉に「自粛モード」に入ったことから数々のイベントが延期され、娯楽も減少しました。

こうした中で、被災しなかった人のほとんどが、毎日テレビにかじりついていたことでしょう。

テレビでは震災の残酷な映像が流れ続けています。

そして、映像に影響され、いつしか被災しなかった人の中にも「眠れない」「憂鬱だ」という症状を持つ人たちが現れたのです。

PTSDを発症する人の多くに、残酷な光景を目撃した(家族が津波で流されるなど)という人もいて、目撃談が発端となるトラウマを「目撃トラウマ」といいます。

そして、専門家は「テレビを通じても目撃トラウマは起こり得る」としています。

ですから、被災地以外の場所にも、強いトラウマで暫く苦しんだ人々が実は多くいたのではないかと思われます。

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