暴露療法(認知行動療法)

まずはじめに、「認知行動療法」とは、トラウマ体験で歪んでしまった思考(認知)と行動を正面からとらえ、トラウマと向き合っていく方法です。

この方法では、患者はトラウマ体験を言葉として具現化し、行動においても、苦手とする場所に敢えて慣れていくように訓練します。

ですから、相当の覚悟がないと続けられませんが、PTSD治療では、認知行動療法が最も広く知られ、有効であることが実証されています。

つまり、トラウマから逃げてはいけないのです。

その中で、自分の体験を言葉にして医師と話し合うことを「暴露療法」と呼びます。

「暴露療法」では、「内なる自分(=心)の暴露」と「実生活内暴露(=行動)」の両方を再体験していきます。

二度と思い出したくないものを思い出して言葉に直し、二度と行きたくない場所に足を運ぶのは、あまりに辛いと思われるでしょう。

しかし、安心した環境の中で心身共に自分のトラウマ経験に向き合うことで、トラウマに慣れていくことが可能になるのです。

そうすると、最終的にはトラウマ体験がある自分の存在に慣れていくことができ、本来の自分を取り戻していけます。

認知行動療法は、基本的に自分ひとりで行うのは危険です。

激しいトラウマを想起することで、調子がかえって悪くなる人もいます。

しかし、医師の適切な指導のもとで行っていけば、一時の感情の落ち込みを乗り越えて問題を克服していくことが可能です。

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