犯罪による原因

1995年には、阪神・淡路大震災のほかに「地下鉄サリン事件」が起き、PTSDを世に広める大きなきっかけになりました。

膨大な数の被害者を生んだこのテロ事件は、史上初の化学兵器によるテロとして、世界に衝撃を与えました。

この事件で被害者になった人々の一部は、その後様々なPTSD症状により、生活が困難になりました。

現在も尚、地下鉄サリン事件によるPTSDで苦しむ人々がいるので、その苦しみがどれだけ長く続くものなのか、ご理解いただけると思います。

またこの事件では、実際に被害に遭った人ばかりでなく、救助に当たった駅員や救急隊員にもPTSD症状が多く見られました。

PTSDは実害を受けた人のみならず、その周囲にいた人々にも波及するのです。

この事件に代表されるように、どんなに罪のない人たちでも、ある日突然事件の被害者になり、PTSDを発症する可能性はあります。

目の前に広がる残酷な光景がその後も心に深く刻まれて離れないという点は、自然災害での被害者と共通する部分です。

事件に巻き込まれてPTSDを発症する例は、「西鉄高速バス乗っ取り事件(2000年)」のようなバスジャック事件、
「秋葉原通り魔事件(2008年)」をはじめとする通り魔事件、
9年以上も少女を監禁した「新潟少女監禁事件(2000年発覚)」など、
過度の恐怖を体験した被害者たちの間で広く見られます。

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