家庭内暴力・虐待による原因

家庭内で起こる問題は長期化することが殆どであり、それ故偶発的な事故によるストレスとは質が異なるものになります。

これらの問題が引き金になるPTSDを特に「複雑性PTSD」と呼びます(前述参照)。

不安定な家庭環境で起こる諸問題は、

  • 性的虐待
  • 肉体的暴力
  • 言葉による暴力

の大きく3つに分かれますが、いずれも一瞬の出来事で終わることはありません。

家庭内の諸問題は、子供が将来PTSDを発症するきっかけになるばかりでなく、情緒の発達そのものを阻害します。

子供の頃から人格を否定されると、ネガティブな思考が慢性化してしまうのです。

このことから、複雑性PTSDは、種々のPTSD症状の中でも最も克服が難しいものとされています。

親が子供に性的虐待を続けると、子供は歪んだ愛情経験しか持つことができません。

その結果、親に対するトラウマを抱え、また成人しても人を愛することができなくなります。

肉体の暴力もまた自尊心を低くし、そのまま成長すれば自尊心を培うことは難しくなります。

肉体的暴力同様に相手に強いストレスを与えるのが言葉による暴力です。

生まれてからずっと「お前なんて生まれてこなければよかった」と言われ続ければ、自分自身に価値を見出せなくなることは、想像に難くありません。

家庭内のことは一般的に表に出にくい面があります。

だからこそ、より長期化し、より深刻化しやすくなります。

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