PTSD/トラウマ その実態と克服方法
私はかつてひどいトラウマ症状と悪夢に悩まされ、精神科で治療を受けていたことがありました。
そのような経緯から、今回、本格的にPTSD/トラウマの原因や治療法に迫ってみたいと思い、それらをまとめることにしました。
このサイトを読めば、
- PTSD/トラウマになるきっかけ
- PTSD/トラウマの具体的な症状
- PTSD/トラウマの治療方法
- PTSD/トラウマにに関する雑学
などが分かるようになっています。
- サイドバー
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各ストレス障害概要
- トラウマ…トラウマは、広範な領域で見られる心的外傷のことで「肉体的ショック」と「精神的ショック」があります。
- PTSD 心的外傷後ストレス障害…PTSDは、重篤なトラウマ症状が1ヶ月以上続いて初めて診断されるストレス障害です。
- ASD 急性ストレス障害…トラウマ体験直後からトラウマに苦しめられ、生活が困難になることをASD（急性ストレス障害）といいます。
- C-PTSD 複雑性PTSD…C-PTSDの主なトラウマ体験は、幼児虐待、性的虐待や戦争経験などです。
- PTSDの歴史1 -黎明期-…ストレス障害の研究の歴史は、19世紀後半に遡ります。
- PTSDの歴史2 -戦闘ストレス反応-…ヒステリー研究がさらに進んだのは、第一次世界大戦（1914年～1918年）後のことです。
- PTSDの歴史3 -暴力・虐待など-…1970年代に、アメリカでレイプ被害者を対象とした研究が始まりました。
- PTSDの診断基準…精神医療の現場で最も広く使われるのは全米精神医学会と、WHO（世界保健機関）のものです。
PTSD/ASDになる原因
- 自然災害…日本でPTSDが注目を浴びるようになったのは、1995年の「阪神・淡路大震災」でのことです。
- 犯罪…1995年には、阪神・淡路大震災のほかに「地下鉄サリン事件」が起き、PTSDを世に広める大きなきっかけになりました。
- 家庭内暴力・虐待…家庭内で起こる問題は長期化することが殆どであり、偶発的な事故によるストレスとは質が異なるものになります。
- 死にまつわること…人は本能的に「死」を怖がる傾向があります。
- 戦争体験…ベトナム戦争帰還兵の問題がPTSD研究を大いに促進しました。
- いじめ・レイプなど…昨今は特にいじめによる自殺事件の多くが明らかにされ、問題視されています。
- 脳内トラブル…現在までにわかっている脳内トラブルについて説明しています。
PTSD/ASDの諸症状
- 症状の三大要素…特有の症状は、大きく「再体験」「回避・麻痺」「過覚醒」に分類することができます。
- フラッシュバック…「フラッシュバック」とは、トラウマ体験後にその経験が鮮明に蘇ることです。
- 睡眠の阻害…PTSDを発症すると、安眠や熟睡は得られなくなり、しかもそれがずっと続くことになります。
- 解離…解離とは、自己像の統合性が失われている状態で、トラウマになる出来事経験後に苦しいずなのに心が凍りつき、無反応・無表情状態になることです。
- 行動回避…人はそのトラウマ体験に関連する物事を全て自分の中から排除したくなり、無意識のうちに様々なものを避けるようになります。
- 精神状態…憂うつ感や悲壮感、恐怖などで苦しむばかりでなく、種々の症状故に更なるストレスが加わり、苛々して怒りっぽくなります。
- 身体症状…PTSDによる身体症状は、自律神経の極度な緊張が引き起こします。
- 子供のPTSD症状…大人よりも出来事を過大に受け止める傾向があり、子供のほうがPTSDを発症しやすいと言われています。
合併する疾患
- うつ病…精神疾患の中でも私たちに最もよく知られているのが「うつ病」です。
- 対人恐怖症…「対人恐怖症」は、何かをきっかけにして、極端に人前に出ることを恐れるようになり、人前に出ると何かしらの症状に悩まされることです。
- 解離性障害…「解離性障害」は、自分が自分でないような感覚に陥り、現実感の乏しさ、過去の一部が全く思い出せない記憶の障害などを起こすものです。
- パニック障害…「パニック障害」は、強い不安感を伴い、発作を起こす症状が特徴の不安障害です。
- アルコール依存症…アルコールで得られる精神的・肉体的な作用にとらわれ、やがて自分の意思で飲酒量をコントロールできなくなっていき、心身ともに状態が悪化することです。
PTSD/ASDの治療法
- 診察を受ける前に…まずは医療機関を受診しようとせず、PTSD関連の支援団体や相談機関に問い合わせをしてみることをお勧めします。
- 暴露療法（認知行動療法）…「認知行動療法」とは、トラウマ体験で歪んでしまった思考（認知）と行動を正面からとらえ、トラウマと向き合っていく方法です。
- そのほかの認知行動療法…トラウマ経験前と後の自分を比較しながら、歪んだ思考を矯正していく方法もあります。
- EMDR…アメリカのフランシーン・シャピロ女史が1989年に発表した眼球運動によるPTSD治療。
- 薬物療法…薬物療法は、認知行動療法などのいわゆる「心理療法」と併用して行われます。
- グループ療法・家族療法…同じ症状で苦しむ人たちや家族とともに治療をしていく方法。
- 入院治療…症状が重く通院が困難になった場合、入院による治療で外来通院が可能になるまでの回復を試みることが必要になるでしょう。
自分でできること・まわりができること
- ストレスについて学ぶ…普段のストレス対策がしっかりしていれば、PTSDによるストレス症状を軽減させることは可能です。
- 症状悪化の回避…患者が最も気をつけなくてはならないのは、症状を悪化させないことです。
- まわりが話しかけるとき…まわりからのサポートは問題克服に当たり大きな力になります。
- 支えている側もストレスケア…まわりの人がうつ病などを発症するケースは本当によくあるのです。
東日本大震災とPTSD
- 被害者の2年前と現在…生き残った人々の中の4人に1人はPTSD症状を、また10人に1人がうつ症状を発症したといわれています。
- サバイバーズ・ギルト…「サバイバーズ・ギルト」を直訳すると、「生き残った人の罪悪感」という意味になります。
- 惨事ストレス…大惨事の現場で支援者が抱えるストレスを「惨事ストレス」といいます。
- メディア被災…東日本大震災では、報道を通じてストレスが深刻化する「メディア被災」により、全国各地にストレス症状を抱えた人が多くいました。
- これからのこと…震災での経験を決して忘れず将来の心理状態悪化を避けるべく、対策を講じていくべきではないかと思います。
PTSD/ASDに関するトピック
- チリ鉱山事故…2010年に起きたチリの鉱山事故では、33人の労働者が地下700mの地点で生き埋めになり、そのおよそ2カ月後に全員が救出されました。
- PTSDとテトリス…英オックスフォード大学の研究チームは、PTSDで起こるフラッシュバックの症状をパズルゲーム「テトリス」をプレイすることで抑制できるという研究結果を発表しました。
- PTSDとウルバッハ・ビーテ病…「ウルバッハ・ビーテ病」とは、扁桃体が破壊されて起こる脳障害の一つです。
- PTSDとモルヒネ…重傷外傷後の蘇生時若しくは治療の初期にモルヒネを投与すると、その後のPTSD発症のリスクを減らせることが明らかになりました。
